なぜ大学で「やさしい日本語」か?
日本に住む外国人は年々増えており、大学にも多くの留学生や外国籍研究者が在籍しています。
授業、ゼミ、サークル活動、アルバイト先など、大学生が外国人と出会う場面は珍しくありません。
そのときに「英語ができないから…」と身構えてしまう学生は多いですが、実際には やさしい日本語のほうが伝わりやすい ことが多いのです。
ここでは、日本人大学生自身が「やさしい日本語」を学ぶ意義と、大学での導入事例をご紹介します。
日本人大学生が「やさしい日本語」を学ぶべき理由
多文化社会での共生スキル
コンビニや飲食店などでのアルバイト、サークルやボランティア活動。
学生生活のなかで外国人と関わる場面は増えています。
そんなとき、「やさしい日本語」で話せば、相手も安心してコミュニケーションを取ることができます。
就職活動・キャリアに役立つ
企業では外国籍社員の採用が進み、取引先や顧客に外国人がいるケースも一般的になってきました。
「やさしい日本語を使える」というスキルは、多文化対応力として就職活動のアピールにもつながります。
日本人同士のコミュニケーション改善
「やさしい日本語」は外国人だけでなく、日本人同士にも有効です。
専門用語や曖昧な言い回しを避け、短く区切って伝える習慣は、ゼミ発表や就職面接、社会人になってからの会議でも役立ちます。
SDGs・国際交流活動への貢献
「やさしい日本語」はSDGsの理念である「誰一人取り残さない社会」に直結します。
また、海外留学や国際交流プログラムに参加する際、日本語でコミュニケーションを広げる選択肢を持てることも大きな強みです。
災害や非常時への備え
地震や台風などの災害時に、留学生や地域の外国人へ「逃げてください」「ここに集まってください」とシンプルに伝えられることは、人命を守る大切な力になります。
実際の大学での導入事例
- 留学生交流イベント
日本人学生が「やさしい日本語」で自己紹介やゲームを行ったところ、留学生が安心して会話に参加できるようになりました。
「日本語で話せた!通じた!」という達成感は、交流をもっと楽しもうという前向きな気持ちにつながります。 - ゼミ・授業でのワーク
学生同士で日本語を言い換える練習を取り入れたことで、専門的なテーマも理解しやすくなりました。
また「説明を工夫すれば相手に伝わる」という実感を持てるため、発表や議論に自信をもつ学生が増えました。 - 大学祭や地域連携の場
留学生や地域の外国人住民に「やさしい日本語」で案内を行う取り組みでは、「ありがとう、わかりやすかった」という声を直接受け取ることができます。
伝わる喜びを体験した学生にとって、国際交流や地域活動へのモチベーションが高まるきっかけになっています。
今後の広がり
大学教育のなかで「やさしい日本語」を取り入れる動きは、今後さらに広がると考えられます。
キャリア教育、SDGs教育、国際交流活動と結びつけることで、学生の学びと社会貢献の両方につながるからです。
まとめ
大学生が「やさしい日本語」を学ぶことは、多文化共生の実践だけでなく、自分自身の成長にも直結します。
「伝わる日本語力」を身につければ、学内の活動から将来の社会生活まで、あらゆる場面で強みになります。
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