自治体窓口と防災で役立つやさしい日本語

なぜ自治体業務に「やさしい日本語」が必要か

日本に住む外国人住民は年々増えています。自治体の窓口では、生活情報や手続きを伝える場面が多くありますが、次のような課題が生じやすいです。

  • 行政用語や専門用語が難しい
     → 「住民票の写し」「印鑑登録証明書」など、直訳しても理解しづらい。
  • 防災情報が伝わらないリスク
     → 災害時に「避難勧告」「不要不急の外出は控えてください」といった表現では、意味が理解されず避難が遅れる危険がある。
  • 窓口対応が一度で終わらない
     → 曖昧な説明のために、同じ外国人住民が何度も足を運ぶケースがある。

こうした場面で「やさしい日本語」を使うことで、外国人住民にも正確で安心できる情報を伝えることができます。


自治体窓口での「やさしい日本語」のポイント

  • 行政用語をやさしく言い換える
    「住民票の写し」→「住んでいる場所が書いてある紙」
    「印鑑登録証明書」→「ハンコを登録したことを証明する紙」
  • 一文を短くする
    「この申請書に記入してから、窓口で番号を呼ばれたら、担当者に提出してください」
    → 「この申請書に名前を書いてください。番号を呼ばれたら、窓口に出してください。」
  • 手順を順番に説明する
    「手続きを済ませたあと、2週間後に住民票が郵送されます」
    → 「手続きをします。そのあと、2週間で住民票が家に届きます。」

防災場面での「やさしい日本語」

災害時は一刻を争います。難しい言葉では命にかかわるため、次のような表現に置き換えることが有効です。

普通の日本語(NG例)やさしい日本語(OK例)
避難勧告が出ています。逃げてください。
洪水注意報が発表されました。川があふれるかもしれません。気をつけてください。
不要不急の外出は控えてください。外に出ないでください。

👉 シンプルに伝えることで、外国人住民にもすぐに理解してもらえます。


導入による効果

自治体窓口や防災情報に「やさしい日本語」を取り入れることで、次の効果が期待できます。

  • 外国人住民が安心して行政サービスを利用できる
  • 防災時の避難行動がスムーズになり、被害を減らせる
  • 職員自身も「伝わる言葉」を意識でき、対応力が高まる

まとめ

自治体業務では、窓口対応から災害時の緊急アナウンスまで、幅広い場面で「やさしい日本語」が役立ちます。
言葉を短く、具体的に伝えることが、住民全体の安心につながります。

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