なぜ介護施設に「やさしい日本語」が必要か
介護現場では、外国人スタッフが働くケースが増えています。
一方で、指示や説明が正しく伝わらず、現場に混乱が生じることも少なくありません。
たとえば、
- 専門用語をそのまま使ってしまう
→ 「離床」「臥床」などは介護に慣れた日本人には自然でも、外国人スタッフには理解が難しい。 - 曖昧な表現を使ってしまう
→ 「なるべく早く」「あとでお願い」では、いつ・何をすればいいのか誤解が生じる。 - 一度に長い指示を出してしまう
→ 手順が複雑になり、聞き落としや間違いにつながる。
こうした課題は、「やさしい日本語」を使うことで大きく改善できます。
外国人スタッフに伝える「やさしい日本語」のポイント
- 専門用語を日常語に言い換える
「排泄介助」→「トイレのお手伝い」
「離床」→「ベッドから起きる」 - 短く区切って話す
「午後は入浴介助をして、そのあとおむつ交換をして、居室の清掃もお願いします」
→ 「午後は、まず入浴のお手伝いをしてください。次に、おむつを替えてください。最後に、お部屋を掃除してください。」 - 曖昧な表現を避ける
「なるべく早く」→「今日の15時までに」
「あとで」→「次の休憩が終わったら」
実際の指示例
| 普通の日本語(NG例) | やさしい日本語(OK例) |
|---|---|
| この利用者さんのADLを確認して、必要に応じて離床介助をお願いします。 | この利用者さんの動きを見て、必要ならベッドから起きるお手伝いをしてください。 |
| 午後のレクリエーションの準備を滞りなく進めてください。 | 午後のレクリエーションの準備をしてください。遅れないでください。 |
| できるだけ早めにナースステーションに報告してください。 | 報告は5分以内にナースステーションにしてください。 |
👉 具体的に言い換えることで、理解がスムーズになり、現場の混乱を防げます。
導入による効果
介護施設で外国人スタッフに「やさしい日本語」を使うと、次のような効果があります。
- 指示が正確に伝わり、業務がスムーズになる
- 外国人スタッフが安心して働ける
- 誤解や行き違いが減り、利用者へのケアの質も安定する
- 日本人スタッフ自身も、情報を整理して伝える力が向上する
まとめ
介護現場では、外国人スタッフに「やさしい日本語」で指示を出すことが、円滑なチームワークや利用者の安心につながります。
専門用語を避け、短く具体的に伝えることが大切です。
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