やさしい日本語とプレーンイングリッシュの違い|共通点と特徴をわかりやすく解説

やさしい日本語とは?(おさらい)

やさしい日本語とは、日本語を母語としない人や、日本語に不慣れな人にも伝わりやすい日本語のことです。
難しい言葉やあいまいな表現を避け、短く、はっきりと伝える工夫が特徴です。

災害時の避難情報や行政窓口の案内、介護や企業研修など、さまざまな場面で活用されています。
代表的なルールは「はさみの法則(はっきり言う・最後まで言う・みじかく言う)」です。


プレーンイングリッシュとは?

プレーンイングリッシュ(Plain English)は、英語圏で広く使われている「わかりやすい英語」のルールです。
英語を母語としない人や、難しい文章を読み慣れていない人でも理解できるように工夫されています。

特徴は以下の通りです。

  • 文を短くする
  • 専門用語を避け、日常的な語を使う
  • 受動態より能動態を使う
  • 複雑で抽象的な言い回しを避け、具体的に書く

アメリカ、イギリス、オーストラリアでは法律や行政文書にも取り入れられており、国民が平等に情報を理解できるよう制度化が進んでいます。


共通点

やさしい日本語とプレーンイングリッシュには、いくつもの共通点があります。

わかりやすさを重視

両者とも「専門用語や難しい表現を避け、シンプルに伝える」ことを最も大事にしています。

社会的意義がある

どちらも「外国人や言語に不慣れな人でも情報にアクセスできる」ことを目的としています。
情報が一部の人にしか届かない社会は不公平です。やさしい日本語やプレーンイングリッシュは、多文化共生やインクルーシブ社会を支えるツールといえます。

命や生活に関わる場面で必要

災害時の避難、病院での説明、行政手続きなど、誤解が命に関わる場面で特に重要な役割を果たします。


違い

出発点の違い

  • やさしい日本語:阪神淡路大震災で外国人住民に防災情報を伝える必要から生まれた
  • プレーンイングリッシュ:法律や行政文書が難しすぎて市民に伝わらないことへの批判から始まった

想定する相手の変化

  • 当初のやさしい日本語は「日本に住む外国人」、プレーンイングリッシュは「市民一般」を想定していました。
  • しかし現在はどちらも、外国人、学習者、高齢者、障がいのある人、読み書きが苦手な人など、多様な人に役立つ表現 として広がっています。

👉 つまり「出発点は異なるが、到達点ではほぼ同じ対象に役立つようになった」といえます。

ルールの違い

  • やさしい日本語:「はさみの法則(はっきり・最後まで・みじかく)」を中心に、難しい言葉を避ける
  • プレーンイングリッシュ:短文・能動態・具体的な語彙の使用を推奨

具体例で比較

日本語の例

「速やかに避難してください」
→ 「すぐに逃げてください」

「市が発行している広報紙には、ごみの出し方やイベントの情報など、住民にとって大切なお知らせが掲載されています。」
→ 「市の広報紙に大切なお知らせがあります。ごみの出し方やイベントの情報です。」

英語の例

“It is prohibited to utilize this facility without authorization.”
→ “You cannot use this building without permission.”

“The application must be submitted prior to the designated deadline.”
→ “Send the form before the deadline.”

どちらの言語も「短く・具体的に」することで、理解度が大きく上がるのがわかります。


まとめ

やさしい日本語もプレーンイングリッシュも、「誰にでもわかる情報伝達」を目指す点で共通しています。
出発点は違っても、今では対象者も役立つ場面も重なっており、「伝わる安心をつくる」ための手段といえます。

言葉をやさしくすることは、外国人だけでなく、高齢者や障がいのある人、さらには母語話者にとっても安心につながります。
まずは日常の会話や文書で「短く・具体的に・やさしく」伝える工夫を始めてみませんか。

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